橋本英郎公式サイト「絆」
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vol.28 原田浩平(フットサル選手)

橋本:フットサルは20分ハーフの前後半だけど、ボールが出る度に時計が止まるよね。トータルすると何分くらい戦っていることになるの?
原田:だいたい35~40分くらいですね。
橋本:あとスローインの時に4秒以内に投げないといけないというのも結構慌ただしかった印象がある(笑)。ボールを出すところを探しているうちにすぐにピッて笛が吹かれて相手ボールになったことが何回かあったから。
原田:そのへんも慣れだとは思いますよ。ただそういう細かいルールが結構あるので最初は戸惑う人は多いかもしれない。あと、ボールが出たり、何かで試合が止まる度に時計も止まるので、サッカーのようにロスタイムが全くなくて20分ちょうどで試合が終わるというのもフットサル独特ですね。
橋本:そう考えると、ハーフで 35~40分なら、サッカーと殆ど変わらない時間をプレーしていることになるから、結構キツいよね。そういえば、2008年の1月だっけ?左膝を痛めたんでしょ?

原田:そうですね。前十字じん帯損傷で手術をしました。
橋本:前十字なら結構、時間がかかったでしょ。
原田:長かったですね。復帰まで9ヶ月くらいかかりましたから。2008年の1月にけがして2月に手術をして、2009-2010シーズンの3巡目くらいから復帰したんですけど、感覚的なものがなかなかすぐには戻らなかったですしね。今でもケガをした前と全く同じ状態かと言われれば、やっぱりまだ感覚的な部分で戻り切っていない気がしますし。最近はかなりマシですけど。
橋本:接触でやったの?
原田:いや、自爆です。
橋本:そうかあ。前十字じん帯ってサッカーでも結構、自爆で痛めることが多いんよね、横浜FMの山瀬功治くんとか磐田の村井慎二くんとかも、接触とかじゃなくて自分でやっているからね。着地のタイミングで切ってしまったり、ドリブルしていてターンしようとした際に身体のバランスを崩して変な倒れ方をしたなと思ったら切っていたり。サッカー選手の場合は基本的に芝生に引っかかることも多いしさ。だから余計に怖い。どれだけ気をつけていても、ある意味、防ぎようがない部分もあるから。コンディション管理は結構、徹底してやる方?
原田:どうかなぁ…人並みだと思います。
橋本:食事とかはどうしてるの?
原田:作る時もありますけど、基本は外食ですね。橋本さんは外食は多いですか?
橋本:僕も含めて、基本的に年が上の方の選手は結婚している選手が殆どやから、やっぱり家で家族と食事を食べることが多いけど、結婚をしていない若い選手は外食が多いんじゃないかな。だから、年が上の選手のことほどプライベートを知らない(笑)。若い選手は気軽にご飯にも誘えるし、実際に一緒に行くこともあるけど、家族がある選手は基本的に家に帰るからそういう訳にもいかないし…あまり普段の動きが分からんねん。
原田:二川孝広選手って、結婚していないんですよね?意外でした。

橋本:意外?!なんで?
原田:いや、面識はないですけど見るからにいい人やのになんで彼女がいないのかなと思って(笑)。
橋本:いい人じゃないよ(笑)。
原田:そうなんですか?!どんな人なんですか?
橋本:そうやなぁ…まず人見知りが激しい。だから飲み会とかも嫌いやし、殆どチームの飲み会にも参加しないし、してもすぐ帰る。っていうか、基本、プライベートは個人プレーが多いからね。サッカー以外の友だちと遊びに行ったりはしているらしいけど、素性はまったく分からんわ(笑)。あれ?原田くんは神戸に住んでるって言ってたけど、地元はどこ?
原田:大阪です。だから結構大阪には遊びに行きます。もし遅くなって帰れないということになってもいざとなれば実家があるので。
橋本:それ便利よね。じゃあまたゆっくり大阪でご飯に行こうよ。うちの嫁は、まだ子供が小さいこともあって、僕が連戦で留守をが続く時は、その間、自分の実家に帰っているんよね。そういう時は僕も若手を連れてご飯に行ったりしているから、その時にまた声をかけるわ。
原田:是非に誘ってください。僕、結構フットワークは軽いので(笑)。
橋本:将来のこととかは考えてる?まずはチームと日本代表で活躍して、というのが目標なのかな?
原田:基本的に代表には常に入りたいと思っていますね。やっぱり選手個々のレベルも高いし、みんな巧いので一緒にプレーしていても楽しいから。
橋本:サッカーみたいに、代表の試合も頻繁にあるの?
原田:いや、ないですね。今年はとりあえず代表戦はなかったですし。基本的には大会にあわせて、という感じです。ただ強化試合はたまにしていますよ。あと、今後は試合のあるなしに関係なく、月に1回、招集されることが決まったらしいです。これは今までになかったことなんですけど、協会としても強化に力を入れていこうという狙いがあるらしくて。
橋本:強化合宿とかってどこで練習してるの?

原田:いろいろですね。今月は千葉でやりましたが、基本的にどこ、というのは決まっていないです。ただそうやって定期的に集まるのは自分のレベルアップということを考えてもプラスだと思うし、それをいい形でチームに還元できたらな、とは思います。
橋本:それは僕らも同じだと思う。代表に行けば、また新鮮な気持ちでサッカーが出来るところもあるし、学ぶことも多いからね。僕ももちろん狙ってはいるけど…ま、頑張ります(笑)。長くなってきたけど、なんか質問があれば受け付けるけど(笑)?
原田:そういえば今年の7?8月に6連続ゴールを決めていたじゃないですか?あれってプレッシャーはかなりかかりました?
橋本:記者の方たちから聞いたところによると、5戦連発がJリーグでプレーする日本人選手の最年長記録らしくて。そういう数字的な話を聞くと余計にプレッシャーがかかったりもしたけど、チームメイトは意外とそっとしていてくれたからね(笑)。そこまで気にすることはなかったかなぁ。っていうか、5戦連続までチームも負けなしやったのに、6戦連続ゴールを挙げた名古屋戦に負けてしまったから…そっちの方が悔しかったわ。
原田:サッカーも今年は名古屋が調子いいですよね…でも両方とも名古屋にもっていかれるのは悔しいのでお互い頑張りましょう!
橋本:そうやな。僕らもまだ優勝の可能性が消えた訳じゃないし、最後まで何が起きるか分からない訳やから、とにかく自分たちが勝ち続けることで名古屋を含めた上位陣にプレッシャーをかけ続けたいね。それにしても、こうして違う世界にいながら同じプロとして頑張っている選手の話というのは楽しいし、刺激になったわ。今日は貴重なオフやったのに大阪まで出て来てくれて、ありがとう。ホンマにまた飯に行こう!
原田:本当にお願いします。普段はお酒は呑まないんですか?
橋本:いや、基本的には好きよ。だからシーズン中は出来るだけ、車で出掛けるようにする。そうしたら、必然的に呑めないから(笑)。
原田:なるほど(笑)。またじゃあ、お酒の方はシーズンオフにゆっくり、ということで。最後に実は、僕もブログをしているので写真を撮らせてもらっていいですか?
橋本:お!ブログやってるんやぁ。結構頻繁に更新してる?
原田:最低でも1日1回はしてるかな…。
橋本:偉いなぁ!僕は最近、週に2回のペースになってきているからなぁ。見習って更新できるように頑張るわ。というわけで今日はありがとう。とりあえず11月2日の名古屋戦を応援しに行くから、またその時にゆっくり!
原田:楽しみにしています。僕もまた試合を観に行きます!

取材協力/dieci
text by misa takamura

原田浩平/プロフィール
1983年6月25日生まれ。大阪府出身。清風高校、大阪体育大学ではサッカー選手として活躍。卒業後、フットサルに転向し、F リーグ発足初年度からデウソン神戸でプレー。Fリーグ2007ではベスト5に選ばれた。日本代表。
<原田浩平オフィシャルブログ/http://pure-city.jp/kohei/index.html

vol.27 原田浩平(フットサル選手)

橋本:そういえば、今年はキャプテンをしているんよね?
原田:はい。一応…でも名前だけですよ。監督が決めるんですけど、4年目でなぜか使命されて。あまり自分では向いているとは思わないんですけどね(笑)。
橋本:僕もむいてないタイプやわ(笑)。
原田:でも、しっかりしていますよね?
橋本:してる…してるかなぁ?もう 30才だし、しっかりしてないとヤバいけどね(笑)。練習はどんな時間帯にしているんだっけ?
原田:うちは10時~12時とかの時間帯の練習が多いですね。練習は基本的に週の3日が一部練習で、2日が2部練習。2部練習のときは夜の練習が20時からと、遅めなんです。
橋本:それ以外の時間は…何してるん?
原田:っていうか、サッカー選手はどうしてるんですか(笑)?
橋本:何してるんやろな。昼寝とか?でも意外と時間がないけどね(笑)。
原田:僕らもそんな感じですよ。午前で練習が終わるときは意外に時間があるようで、ない。
橋本:サラリーマンに比べると、働いている時間で換算したらどう考えても短いし、楽なはずやねんけど意外と時間ってないよね。2部練習はあまりないの?
原田:火曜日と木曜だけです。
橋本:っていうことは、試合が土曜日にあったとしても前々日である木曜日は2部練習をするっていうこと?
原田:いや、そのへんはバランスをとりますね。試合に出る選手は午前は練習して、午後はクールダウン的なことをするだけですけど、試合にあまり出ていない選手は午後も練習試合をしたり、結構しっかりやります。
橋本:僕もフットサルをやりたいなって思ったりするねんけど…フットサルってどういう能力が優れていたら活躍できるというか、いい選手という評価を受ける?
原田:どうでしょうね…ミスが少ないことと足下の技術があること。あとは戦術理解ですかね…。
橋本:ドリブルで抜く技術とかは結構いる?

原田:抜くより、交わしてすぐ打てるとか…ステップの方が大事だと思いますね。抜き切れなくてもコースだけ狙えれば大丈夫だし。
橋本:あと根本的な質問で申し訳ないけど、フットサルの時にトーキックをすると爪が痛いねんけど、それは下手やから?前にその悩みをブラジルから来た日本でプレーしている選手に打ち明けたら、「親指を上にあげて蹴ったら痛くない」とアドバイスしてもらってんけどね。
原田:分かります!僕も利き足の右足は痛くないけど、左足は痛いですから(笑)。たぶん、右足は利き足だからボールを蹴る瞬間に自然と親指をあげていると思うんですけど、左足は細かく神経が行き届いていないせいか、それが出来ていないんでしょうね。でも、みんなそんなもんだと思いますよ。
橋本:シューズの先が堅いのとかないんかなぁ?
原田:ありますよ。実際、僕は痛いのが嫌で、堅いシューズを選んで履いています。
橋本:日本代表選手にそういう言葉を聞くと安心するわ。でもさ、結局先が柔らかい方がタッチはしやすいやん?だから柔らかいのを履きたいねんけど、そうすると爪が痛いし…。まぁ、そんなに真剣に悩むほどのことではないか(笑)。
原田:(笑)。
橋本:話を戻すと、原田くんはさっき教えてくれたようなフットサル選手としての能力はもともと高い方だったん?
原田:そうでもないと思いますけどね。
橋本:サッカーの時のポジションはどこ?
原田:左ハーフとかトップ下とかですね。もともとディフェンスが出来ない選手だったのは間違いないです(笑)。
橋本:でも全体的に身体はみんな小さいよね。173センチの僕が混ざっていたとしても身長の低さはそんなに気にならない気がするというか…180センチを超えた選手ってあまりいないでしょ?
原田:そうですね。あまりいないですね。
橋本:原田くんで何センチくらい?
原田:176センチですね。
橋本:原田くんでも、標準より大きい方じゃない?だって、GKの身長を見ていても、176センチとか、178センチとか…そんなにデカイ選手はいないでしょ。ゴールマウスがサッカーより小さい訳やから、そこに185センチくらいある選手がいたら、立っているだけで威圧感あるのに(笑)。
原田:シュライカーのイゴールっていうGKは187センチありますよ。それだけでかなりの威圧感があるし、チームにとってもかなりのプラスだと思う。
橋本:それ、めっちゃデカイやん!そう考えると…身体的にはやれそうな気がするけど、サッカーが巧いからと言って、フットサルが巧いとは限らないって話もよく聞くからね。やっぱり独特の難しさとか、向き不向きがあるんやろうね。

原田:でも、基本的にプロのレベルでやっているような選手はそもそもの能力が高いので慣れれば出来ると思いますけどね。ただお金にならないのは間違いないですけど(笑)。
橋本:そこなんよね。フットサル界にしてみたら、元プロサッカー選手がフットサルの方に転向して、活躍することでもっとフットサルの知名度をあげて欲しいという思いがあるらしくて。ただ現実的に稼げるか、といえばそうではないのが現状やから、なかなかフットサルに転向する選手はいないよね。移籍はどうなん?頻繁に行われるの?
原田:シーズンが終わったタイミングには結構ありますけど、シーズン途中はそんなにないです。
橋本:移籍金は発生する?
原田:いや、ないですね。
橋本:ってことは「移籍したい」といえば出来るっていうこと?
原田:だと思うんですけど、基本的にあまり考えたことがないところなんで、正直よく分からないです。ただ、本人の意思が大きく影響するとは思います。もちろん、契約書を交わしているので、複数年契約とかだったら契約満了までは無理だと思うけど、契約満了後の移籍なら問題ないと思う。
橋本:そこは今のJリーグも同じやからね。移籍金は発生しなくなったけど、その分複数年契約選手が増えて、それを破っての移籍になると違約金が発生することになっているから。名古屋オーシャンズのFP小暮賢一郎くんみたいにスペインから日本に戻ってくると金額は上がるのかな?
原田:いや、それはあまり関係ないと思う。僕らのチームにも一人スペインに行っていて、帰って来た人がいるんですけど、他の選手と殆ど変わらないですからね。
橋本:平均寿命はどのくらい?サッカーを引退してからでも間に合うのかな…(笑)?
原田:うちで27~28才くらいだと思います。基本的に大卒の選手が多いから、そんなに若くはないですね。
橋本:いま、Fリーグの最年長選手で何才くらい?
原田:ペスカドーラ町田の甲斐修侍さんって言う選手が38才ですね。僕らのチームの最年長は、32才かな。でも、年齢はあまり関係ないというか…サッカーもそうですけど、結局その人次第だと思いますけどね。
橋本:でも、運動量的にはバスケットと同じような感覚だから、結構キツいよね?
原田:キツいのはキツいけど、サッカーと違って交代が頻繁にできるので、なんとかなります。
橋本:そっか。サッカーと違ってメンバー交代に制限ないもんね。確かファーストセット、セカンドセットみたいな感じで、セットを作っておいて、うまく回す感じになってるんよね。同じポジションの選手が常に控えていて、疲れ切る前にどんどん交代させて活性化させていく、みたいな。
原田:そうですね。その面ではサッカーに比べたらかなり楽だと思いますよ。ぶっ飛ばして疲れても、すぐに交代できるから。
橋本:かといって、すぐに動けなくなって交代、という訳にもいかないやろうけど、ある程度、ポイントで活躍できればいけるっていうことかも知れないよね。そう言う意味では、サッカーで言うバッジョとかトッティのように、決定的な仕事を出来るタイプの選手が多いほど、チームは強くなるっていうことかもね。
原田:その通りですね。ポイント的な強みを持っていれば、選手寿命は間違いなく伸びると思う。
橋本:サッカーはGKはフィールドの選手より若干、選手寿命も平均的に長めやけど。フットサルもそう?
原田:そうですね。やっぱりちょっと高めかな。
橋本:フィールドではどこの選手の年齢層が平均的に高い?やっぱりディフェンス?
原田:そうですね。ディフェンスの人の方が長く続けている感じはしますね。

橋本:そこらへんはやっぱりサッカーと似てるなぁ。デウソンのシステムは?
原田:多少は試合の中でも、変えながらやりますけど基本の形は2-2のボックスです。
橋本:名古屋はダイヤモンド?
原田:いろいろですね。あそこはどんな形でも出来るし、それが強みの1つだと思う。で、あとは…リカルジーニョです(笑)。
橋本:基本的にフットサルって1対1の場面が多いから、カバーとかって出来ないんやろうなぁ。つまり、リカルジーニョが強いからと言って、2対1の状況を作ってカバーしようとしてもそこで出されたら一瞬にして終わってしまうから、結局、一人が耐えきらないとアカンという場面が非常に多くなる。サッカーなら、フィールドは10人と人数がいる分2対1の状況を作ったとしても、カバーできる選手がいるけどね。でもフットサルはフィールドが4人やからね…絶対にそうはいかないし、対面する相手が次元が違う選手となれば、結局、誰がいっても無理やろうし…って話していたらフットサルを観に行きたくなってきたわ(笑)。やっぱり11月2日の名古屋戦、観に行くわ(笑)。
原田:ぜひ、来てください!
橋本:うん、楽しみにしてるわ。でもさ、試合のスケジュールを見ていると、名古屋戦の2日前にも試合をしてるから…ってことは中1日か。結構ハードよね。
原田:このタイミングが1年の中で一番スケジュール的に詰まっているんですよね。しかも相手が名古屋なんで、結構厳しい試合にはなると思いますけど…頑張ります。

取材協力/dieci
text by misa takamura

原田浩平/プロフィール
1983年6月25日生まれ。大阪府出身。清風高校、大阪体育大学ではサッカー選手として活躍。卒業後、フットサルに転向し、F リーグ発足初年度からデウソン神戸でプレー。Fリーグ2007ではベスト5に選ばれた。日本代表。
<原田浩平オフィシャルブログ/http://pure-city.jp/kohei/index.html

vol.26 原田浩平(フットサル選手)

橋本英郎(以下、橋本):ポジションはどこ?
原田浩平(以下、原田):PIVOというサッカーで言うFWです。
橋本:フットサルでもPIVOの選手が一番点を獲りやすいポジションになる?
原田:いや、そうでもないかな。結構、僕らPIVOがキープして出す、という役割も多いので。
橋本:そういえば、名古屋オーシャンズのPIVOにすごいスーパースターがいるらしいやん?
原田:はい、ポルトガル代表のリカルジーニョですね。彼は、ヤバイくらい巧いです。一度、見た方がいいと思います。次元が違いますから。

橋本:そんな選手がよく日本に来てくれたね。メッシがJリーグに来るみたいなもんでしょ?
原田:それくらい凄いことではあると思います。でも名古屋のアジウ監督が昔、彼を指導していたらしく…いろんなチームから当然オファーはあったらしいけど、その縁で奇跡的に来てくれたそうです。そう言えば、11月2日にホームで名古屋オーシャンズと対戦するので、良かったら是非来てください。リカルジーニョだけは…ホンマに生で観たらビックリすると思う。
橋本:そんなに凄いんか…そう言えば、以前にシュライカーの選手に「浦安が頑張ったら名古屋と戦えるかも」という話を聞いたことがあるけど、それでも今季、1?9で大敗してたもんね。相当、強いんやろうな。
原田:いや。マジで相当強いです。僕らももちろん勝ちたいという気持ちはありますけど、現実的な差はやっぱりあると思う。
橋本:じゃあ今は当然、名古屋が首位?
原田:そうですね。飛び抜けています。
橋本:名古屋には日本代表選手も多い?
原田:そうでもないですね。といっても日本人のレベルも高いし、あとはブラジル人が結構います。しかもその殆どが基本的に日本国籍をとっているので出場には全く問題がないんですよね。それもあって強いというのもあると思う。

橋本:でもデウソンも結構いい順位につけていたでしょ?8節を終えた時点で2位じゃなかったっけ?
原田:そうですね。少し順位があがってきました。しかも10月3日にアウェイで名古屋と試合をするので、ここで勝てたら勝ち点的にも詰められるから大きいんですけどね。(編集部注:対談後、試合が行われ、残念ながら0-8で大敗。)
橋本:フットサルの強化のことはあまり分からないけど、現実的にやはり資金的な力があるチームが強いんかな。リカルジーニョのいる名古屋も彼を獲得できる資金があるっていうことやもんね?
原田:僕も他のチームの事情は詳しくは分からないですけど、サッカーでもそうであるように、単純にお金があればいい選手を集めやすいというのはあるでしょうね。
橋本:確かにね。名古屋のスポンサーって大洋薬品だっけ?スタジアムもすごくいいんでしょ?
原田:よく知っていますね!オーシャンアリーナっていう…すごいいいスタジアムですよ!
橋本:1試合につき、お客さんは何人くらいくるの?
原田:1500~1600人くらいですね。場所とかカードにもよりますけどね。例えば、大阪市中央体育館とかならリカルジーニョ効果で5000人強、お客さんが入ったこともありますし。でも他の試合はだいたい2000人にいかないくらいです。毎試合、5000人くらい入ると盛り上がるんですけどね。この前、万博であった大阪ダービー『ガンバ大阪対セレッソ大阪戦』を観に行ったんですけど、やっぱり満員のスタジアムって全然違いますもんね!
橋本:違うね。万博は満員になっても2万人強やけど、浦和レッズのホーム、埼玉スタジアムとか、22節のアルビレックス新潟戦を戦った東北電力スタジアムは、もっと凄いからね。22節の新潟戦も33000人くらい入っていて、試合自体もずっと相手の押せ押せで…新潟ファンはかなり盛り上がっててんけど、最後は僕らが点を獲って勝ったんよね。そしたら、FWドドが決勝ゴールを決めた瞬間の、シーンとなる感じが半端なくすごくて(笑)。ゴールも角度的に分かりにくかった分、僕らも入ったかどうか分からん、っていう感じやった上に、スタンドのお客さんもシーンとなり過ぎているから「え?決まったん?」みたいな感じで(笑)。ドドが一人で喜んでユニフォームを脱いでサポーター席に走って行ったから「あ、入ったんか」って分かったけど、明らかにみんなワンテンポ、遅れて喜んでいたから。
原田:ガンバのサポーターは来てくれていなかったんですか?
橋本:来てくれているけど、ほんの一角だけやからさ。実際、そこに座っていた人たちも分かりにくかったらしく…っていうか分かっていなかったみたいで(笑)。明らかに彼らも僕らと同様にワンテンポ遅れてたわ。フットサルのファンはどんな感じなの?
原田:いい人ばかりです。女性ファンも結構来てくれますしね。ただ、まだまだ、少ないのでこれからもっと増えていけばいいなとは思います。もともとうちのチームは全員がすごく仲が良いんですよね…代表とかでデウソンのことを話すと、他のチームからもうらやましがられるくらいなので(笑)。チームメイトと一緒に食事することも多いし、お互いの仲間から輪を広げていったりもしていて、そこからファンも少しずつですけど広がりつつあります。

橋本:そう言えば、普段もチームメイトと同じマンションで共同生活をしているらしいね!
原田:そうなんです。神戸のマンションに最初は4人で住んでいて、今は一人出て行ったので3人で共同生活をしています。みんな大体大時代からの仲間なんで、すごい楽やし、楽しいですよ。基本、一人一つずつ部屋があるからプライベートな空間はあるし。僕らは大学の時から同じサッカー部の寮に入っていたので、かれこれトータルしたら9年くらい一緒に暮らしているんですよ。
橋本:大学から一緒という流れなら楽しそうやけど、でも僕には想像できひんなぁ。3人ともデウソンに所属しているんよね?
原田:いや、今は一人だけ仕事をしながらビーチサッカーをしています。
橋本:大人になっても共同生活が出来るくらいやから、よっぽど仲がいいんやろうね。なんか、いろんな意味で楽しそうやわ!
原田:楽しいですよ。そう言う意味では、デウソンの一員としてプレーできていることを幸せに思います。
橋本:トップチームの選手は全員プロ契約?
原田:そうですね。でも個人個人で細かな契約の形態は違いますけどね。あと、アスピランチというサッカーでいうサテライトチームの選手は基本的にプロ契約ではないので、仕事をしながら、という感じの選手が多いですけどね。
橋本:Fリーグは、いわゆるヨーロッパの秋冬制みたいな感じのスケジュールで試合があるんでしょ?
原田:そうですね。今年なら8月から2月までFリーグの試合があって、それ以外にもカップ戦的な大会がある感じです。
橋本:じゃあ、何月がオフになるん?
原田:だいたい4、5月が休みになります。
橋本:めっちゃいい時期に休めるやん!旅をするにもいい気候の時だし。
原田:そうですね。
橋本:デウソンの日本代表選手は原田くんだけなんだっけ?
原田:はい。僕だけですね。

橋本:ちなみに、シュライカーは?
原田:村上哲哉くんと松宮充義くんと…あと永井義文っていう若い選手が入ってます。
橋本:シュライカーは3人も選ばれてるんや!そやのに、今は…6位…ならデウソンは頑張ってるっていうことよね。
原田:はい、一応頑張ってます(笑)。

取材協力/dieci
text by misa takamura

原田浩平/プロフィール
1983年6月25日生まれ。大阪府出身。清風高校、大阪体育大学ではサッカー選手として活躍。卒業後、フットサルに転向し、F リーグ発足初年度からデウソン神戸でプレー。Fリーグ2007ではベスト5に選ばれた。日本代表。
<原田浩平オフィシャルブログ/http://pure-city.jp/kohei/index.html

vol.25 原田浩平(フットサル選手)

橋本英郎(以下、橋本) : 初めまして。このHPでの対談で、全くの初対面の人を迎えるのは実は初めてなんよね。今日はありがとう。よろしくお願いします。
原田浩平(以下、原田) : こちらこそ、呼んでいただいてありがとうございます。フットサルの選手はあまり交流はないですか?
橋本: いや全くないことはないよ。以前、シュライカー大阪でプレーしていた山本信吾くんは、僕の友だちの弟やから良く知っていて。その友だちとはオフに遊びで一緒にフットサルをしたりする仲やねんけど、信吾も来て一緒に練習したりしていたからさ。今は信吾も学校の先生になったから、今はシュライカーのトップチームではプレーしていないらしいけど。あとは仲のいい友だちの友だちに、村上哲哉くんがいるかな。僕はまだ面識ないけど、今度一緒にご飯でも、っていう話はしてる。だから、そういう関係でシュライカー大阪の話はちょくちょく耳に入ってくるかなぁ。村上くんは、知ってる?
原田 : 知っていますよ。日本代表で一緒になるので。
橋本: そうか、代表選手なんやもんなぁ。
原田 : 橋本さんもフットサルをすることってあるんですね。

橋本: するよ。1月とかのオフを使って…トレーニングも兼ねてやることもあるし。マグフットサルクラブがやっている大会にも何回か出場したこともあるよ。昔はあの大会が一番制限がなかったというか…誰でも出場できたから、フットサル界ではある意味、一番レベルの高い大会と言われていたんよね。今は確か、Fリーグでプレーする選手はマグの大会に出られなくなったはずやけど…。
原田 : はい、出られなくなりましたね。僕はもともとあの大会には一度も出たことがないんですけど。
橋本: そうなんや。僕は3年連続で出たかな。一番最高の成績はベスト8くらいやったけど。
原田 : それってどんな仲間と出場したんですか?Jリーグの選手?
橋本: いや、最初はさっき話した山本くんのお兄ちゃんらと一緒に僕の地元の子らと作ったチームで出場してんけど、予選敗退で…その次は今は福岡でプレーしている DF丹羽大輝らと出て、3回目は清水エスパルスのDF児玉新とか、セレッソ大阪のMF家長昭博とか。みんな元ガンバユースやねん。
原田 : 豪華ですね。サッカーとはまたちょっとやり方が違うから戸惑わなかったですか?
橋本: 戸惑うというか…僕らがサッカーのやり方でプレーするからか、相手がガチ守りしてきてさ。3回目に出た時も、能力的には高い奴らが集まっていてんけど、さすがにあんだけ守られると攻められへんから「とりあえず0?0でいって、PKまで持ち込んだら勝てる」みたいに言っててさ。なのに、PKで負けた(笑)。でも、やってみたら分かったけど、サッカーとは全然違うものやね。
原田 : 似ているようで違いますね。だから僕もサッカーからフットサルに転向したての頃は結構戸惑いました。

橋本: 例えば、スライディング一つとっても基準が分かりにくくて…最初はスライディングはしたらアカンと思っててんけど、実際に試合をすると意外と引っ張られてもファウルをとられへんし、相手の選手もスライディングでシュートを決めたりしていてさ。後になって聞いてみたら、相手に向かってスライディングをしなければOKだ、と。そう言われてみれば、センタリングシュートとかでスライディングで決めるっていうのは一つの形としてあるよね。めっちゃ速いボールが出て、そこにスライディングであわせて決める、みたいな。
原田 : 確かにありますね。でも最初はサッカーの感覚でボールに向かってのスライディングならいい、という感覚でやっちゃうんですよね。
橋本: そうそうそう!でもさ…すごい基本的な質問やけど、体育館とかでスライディングするのは痛くないの?火傷みたいにはならへん(笑)?
原田 : そこはもう慣れですよ。慣れてしまえば意外と火傷にもならないし…っていうか、それが痛くて嫌やなっていうことになったらフットサルは出来ないです(笑)。
橋本: その通りやな(笑)。
原田 : でもね、そのスライディングも今季の2巡目の試合からOKになるんです。
橋本: そんなシーズンの途中でルールが変更になることってあるんや?!
原田 : みたいですね。
橋本: でもフットサルって、動きが結構、規則的というか、決まっているでしょ?「あいつがここに行ったら、こいつはここ」みたいな感じで…。
原田 : 確かに戦術が結果を左右することはすごくあると思います。
橋本: そのせいか、僕らがフットサルの大会に出た時に、よく相手チームの選手に「サッカーに負けた」的な言われ方をするんよね。僕らはサッカーの選手ばかりのチームのせいか、動き方とかやり方が全然違うらしく、僕らに負けたというより「今日はサッカーをされてしまったから負けたわ?」的なコメントを結構、聞く。もちろん、僕らはフットサルの攻め方、守り方なんて知らんから、しゃあないけど、それを聞いていると似ているようで全然違うスポーツなんかなって思う。
原田 : 僕もサッカー出身なので、言ってることはすごく分かります。実際、僕も最初にフットサルをやり始めた頃は全然分からなくて。でもそこを覚えないと使ってもらえないから、まずはフットサル的なやり方を覚えようという感じでしたから。
橋本: そもそも原田くんは、どんな経緯でフットサルの選手になったの?
原田 : 大阪体育大学までは普通にサッカーをしていたんですけど、4年生になった時に、同じ大学の先輩に誘われたのがフットサルを始めたきっかけですね。その時にフットサルのワンデイ大会に出場したりしたんですけど、これは面白いな、と。で、三村っていうガンバユースから桃山大にいった選手分かります?左利きの… 彼らと一緒にチームを作ってプレーしていました。
橋本: 三村…原田くんと同級生っていうことは、僕の4つ下よね。なんとなくそんな名前の選手がいたような気がするし、微妙に分からない気もする(笑)。でもそこからどうやってプロになったん?
原田 : 僕は清風高校に行っていたんですけど、その清風高校出身の先輩でもあり、今はデウソン神戸のGMの上永吉英文さんという方が、大体大のOBに友だちがいた関係で、サッカー部の練習をよく観に来ていたんですよ。で、僕らが遊びのフットサルチームを作って大会に出場したり、活動していたのも知っていたこともあり、ある時に「来年、Fリーグが開幕することになっていて、僕も手を挙げようと思っているから、うちのチームに来ないか?」みたいな感じで声を掛けてくださったんです。それで「ぜひ、やりたいです」と。
橋本: 自分らで作っていた遊びのチームから、デウソンに入ったのは原田くんだけ?
原田 : いや、結構強かったこともあって、全員が誘われて、全員がそのまま入りました。ただ、Fリーグの開幕まで1年あったので、「開幕までブラジルに行ってきます」という話をしたら、「じゃあサポートしてくれる人を見つけるから安心して行って来い」ということになり、実際に金銭面も含めてサポートしてくださる方を紹介してもらい、その方のサポートを受けてまずはブラジルに行くことになりました。
橋本: デウソンと契約してから行ったってこと?
原田 : いや…その時はまだ正式には所属していないんですけど、でも話としては決まっていたので、ブラジル行きの細かい話も全て上永吉GMが繋いでくれました。
橋本: え?っ!そんなにトントン拍子でいったんや?!期間はどのくらい行ってたの?
原田 : 1ヶ月半ですね。
橋本: 現地でプレーするチームとか生活はどうしてたん?フットサルの選手としての日本での実績はまだそんなにないのに、すんなり受け入れられたん?
原田 : 上永吉GMの知り合いで現地で代理人みたいなことをされている方がいて、その人にチームを紹介してもらいました。場所はサンカエターナといってサンパウロの横にある街なんですけど、住まいはそのチームの寮に入りました。
橋本: ブラジルはサッカーだけではなく、フットサルも盛んなんでしょ?
原田 : そうですね。街のいたるところでいろんな人がフットサルをやっているような感じですね。おじいちゃんとかもやっていれば、ストリートでもよく見かけるし。
橋本: 治安は大丈夫だった?

原田 : 基本的に何も持っていなかったので、襲われることはまずなかったけど、初ブラジルだったので最初はやっぱり何かと怖かったですよ。ブラジルに着いて3日目くらいに道を歩いていたら、警察官に呼び止められて拳銃を突きつけられましたからね。日本で言う職務質問みたいなものだったんですけど、ブラジルでは職務質問をする際に必ずピストルを出すらしいんですよね。相手も持っているかも知れないから、って。そのことを聞いていなかったので、いきなり拳銃を突きつけられた時はマジで怖かった。
橋本: 強盗みたいなのも結構いるんじゃないの?
原田 : いるらしいですけど、それはもともと聞いていたので、アクセサリーはもちろん、時計も何も身につけていなかったから、全く狙われなかった(笑)。」
橋本: ブラジルでの1ヶ月半では何を得た?
原田 : あまり…何も(苦笑)。ただ「ブラジルはやっぱりサッカーの本場やな」って感じることは多かったです。それに、そう何度も行ける場所ではないので、行けたこと自体が経験になった気もしますしね。あとは…ブラジルは怖いところやっていうことだけは分かりました(笑)。
橋本: 僕もブラジルには行ったことがないけど、やっぱり一度は行ってみたい場所の1つよね。サッカーの本場で毎日、フットサルをやっていたんやから、そりゃあ幸せよね。
原田 : そうですね。でもフットサルしかしていなかったから、めっちゃ暇でした(笑)。あまり出歩くことも出来ないし、そもそもそんなに行くところもなかったら。

取材協力/dieci
text by misa takamura

原田浩平/プロフィール
1983年6月25日生まれ。大阪府出身。清風高校、大阪体育大学ではサッカー選手として活躍。卒業後、フットサルに転向し、F リーグ発足初年度からデウソン神戸でプレー。Fリーグ2007ではベスト5に選ばれた。日本代表。
<原田浩平オフィシャルブログ/http://pure-city.jp/kohei/index.html