橋本英郎公式サイト「絆」
FRIENDS

vol.25 原田浩平(フットサル選手)

橋本英郎(以下、橋本) : 初めまして。このHPでの対談で、全くの初対面の人を迎えるのは実は初めてなんよね。今日はありがとう。よろしくお願いします。
原田浩平(以下、原田) : こちらこそ、呼んでいただいてありがとうございます。フットサルの選手はあまり交流はないですか?
橋本: いや全くないことはないよ。以前、シュライカー大阪でプレーしていた山本信吾くんは、僕の友だちの弟やから良く知っていて。その友だちとはオフに遊びで一緒にフットサルをしたりする仲やねんけど、信吾も来て一緒に練習したりしていたからさ。今は信吾も学校の先生になったから、今はシュライカーのトップチームではプレーしていないらしいけど。あとは仲のいい友だちの友だちに、村上哲哉くんがいるかな。僕はまだ面識ないけど、今度一緒にご飯でも、っていう話はしてる。だから、そういう関係でシュライカー大阪の話はちょくちょく耳に入ってくるかなぁ。村上くんは、知ってる?
原田 : 知っていますよ。日本代表で一緒になるので。
橋本: そうか、代表選手なんやもんなぁ。
原田 : 橋本さんもフットサルをすることってあるんですね。

橋本: するよ。1月とかのオフを使って…トレーニングも兼ねてやることもあるし。マグフットサルクラブがやっている大会にも何回か出場したこともあるよ。昔はあの大会が一番制限がなかったというか…誰でも出場できたから、フットサル界ではある意味、一番レベルの高い大会と言われていたんよね。今は確か、Fリーグでプレーする選手はマグの大会に出られなくなったはずやけど…。
原田 : はい、出られなくなりましたね。僕はもともとあの大会には一度も出たことがないんですけど。
橋本: そうなんや。僕は3年連続で出たかな。一番最高の成績はベスト8くらいやったけど。
原田 : それってどんな仲間と出場したんですか?Jリーグの選手?
橋本: いや、最初はさっき話した山本くんのお兄ちゃんらと一緒に僕の地元の子らと作ったチームで出場してんけど、予選敗退で…その次は今は福岡でプレーしている DF丹羽大輝らと出て、3回目は清水エスパルスのDF児玉新とか、セレッソ大阪のMF家長昭博とか。みんな元ガンバユースやねん。
原田 : 豪華ですね。サッカーとはまたちょっとやり方が違うから戸惑わなかったですか?
橋本: 戸惑うというか…僕らがサッカーのやり方でプレーするからか、相手がガチ守りしてきてさ。3回目に出た時も、能力的には高い奴らが集まっていてんけど、さすがにあんだけ守られると攻められへんから「とりあえず0?0でいって、PKまで持ち込んだら勝てる」みたいに言っててさ。なのに、PKで負けた(笑)。でも、やってみたら分かったけど、サッカーとは全然違うものやね。
原田 : 似ているようで違いますね。だから僕もサッカーからフットサルに転向したての頃は結構戸惑いました。

橋本: 例えば、スライディング一つとっても基準が分かりにくくて…最初はスライディングはしたらアカンと思っててんけど、実際に試合をすると意外と引っ張られてもファウルをとられへんし、相手の選手もスライディングでシュートを決めたりしていてさ。後になって聞いてみたら、相手に向かってスライディングをしなければOKだ、と。そう言われてみれば、センタリングシュートとかでスライディングで決めるっていうのは一つの形としてあるよね。めっちゃ速いボールが出て、そこにスライディングであわせて決める、みたいな。
原田 : 確かにありますね。でも最初はサッカーの感覚でボールに向かってのスライディングならいい、という感覚でやっちゃうんですよね。
橋本: そうそうそう!でもさ…すごい基本的な質問やけど、体育館とかでスライディングするのは痛くないの?火傷みたいにはならへん(笑)?
原田 : そこはもう慣れですよ。慣れてしまえば意外と火傷にもならないし…っていうか、それが痛くて嫌やなっていうことになったらフットサルは出来ないです(笑)。
橋本: その通りやな(笑)。
原田 : でもね、そのスライディングも今季の2巡目の試合からOKになるんです。
橋本: そんなシーズンの途中でルールが変更になることってあるんや?!
原田 : みたいですね。
橋本: でもフットサルって、動きが結構、規則的というか、決まっているでしょ?「あいつがここに行ったら、こいつはここ」みたいな感じで…。
原田 : 確かに戦術が結果を左右することはすごくあると思います。
橋本: そのせいか、僕らがフットサルの大会に出た時に、よく相手チームの選手に「サッカーに負けた」的な言われ方をするんよね。僕らはサッカーの選手ばかりのチームのせいか、動き方とかやり方が全然違うらしく、僕らに負けたというより「今日はサッカーをされてしまったから負けたわ?」的なコメントを結構、聞く。もちろん、僕らはフットサルの攻め方、守り方なんて知らんから、しゃあないけど、それを聞いていると似ているようで全然違うスポーツなんかなって思う。
原田 : 僕もサッカー出身なので、言ってることはすごく分かります。実際、僕も最初にフットサルをやり始めた頃は全然分からなくて。でもそこを覚えないと使ってもらえないから、まずはフットサル的なやり方を覚えようという感じでしたから。
橋本: そもそも原田くんは、どんな経緯でフットサルの選手になったの?
原田 : 大阪体育大学までは普通にサッカーをしていたんですけど、4年生になった時に、同じ大学の先輩に誘われたのがフットサルを始めたきっかけですね。その時にフットサルのワンデイ大会に出場したりしたんですけど、これは面白いな、と。で、三村っていうガンバユースから桃山大にいった選手分かります?左利きの… 彼らと一緒にチームを作ってプレーしていました。
橋本: 三村…原田くんと同級生っていうことは、僕の4つ下よね。なんとなくそんな名前の選手がいたような気がするし、微妙に分からない気もする(笑)。でもそこからどうやってプロになったん?
原田 : 僕は清風高校に行っていたんですけど、その清風高校出身の先輩でもあり、今はデウソン神戸のGMの上永吉英文さんという方が、大体大のOBに友だちがいた関係で、サッカー部の練習をよく観に来ていたんですよ。で、僕らが遊びのフットサルチームを作って大会に出場したり、活動していたのも知っていたこともあり、ある時に「来年、Fリーグが開幕することになっていて、僕も手を挙げようと思っているから、うちのチームに来ないか?」みたいな感じで声を掛けてくださったんです。それで「ぜひ、やりたいです」と。
橋本: 自分らで作っていた遊びのチームから、デウソンに入ったのは原田くんだけ?
原田 : いや、結構強かったこともあって、全員が誘われて、全員がそのまま入りました。ただ、Fリーグの開幕まで1年あったので、「開幕までブラジルに行ってきます」という話をしたら、「じゃあサポートしてくれる人を見つけるから安心して行って来い」ということになり、実際に金銭面も含めてサポートしてくださる方を紹介してもらい、その方のサポートを受けてまずはブラジルに行くことになりました。
橋本: デウソンと契約してから行ったってこと?
原田 : いや…その時はまだ正式には所属していないんですけど、でも話としては決まっていたので、ブラジル行きの細かい話も全て上永吉GMが繋いでくれました。
橋本: え?っ!そんなにトントン拍子でいったんや?!期間はどのくらい行ってたの?
原田 : 1ヶ月半ですね。
橋本: 現地でプレーするチームとか生活はどうしてたん?フットサルの選手としての日本での実績はまだそんなにないのに、すんなり受け入れられたん?
原田 : 上永吉GMの知り合いで現地で代理人みたいなことをされている方がいて、その人にチームを紹介してもらいました。場所はサンカエターナといってサンパウロの横にある街なんですけど、住まいはそのチームの寮に入りました。
橋本: ブラジルはサッカーだけではなく、フットサルも盛んなんでしょ?
原田 : そうですね。街のいたるところでいろんな人がフットサルをやっているような感じですね。おじいちゃんとかもやっていれば、ストリートでもよく見かけるし。
橋本: 治安は大丈夫だった?

原田 : 基本的に何も持っていなかったので、襲われることはまずなかったけど、初ブラジルだったので最初はやっぱり何かと怖かったですよ。ブラジルに着いて3日目くらいに道を歩いていたら、警察官に呼び止められて拳銃を突きつけられましたからね。日本で言う職務質問みたいなものだったんですけど、ブラジルでは職務質問をする際に必ずピストルを出すらしいんですよね。相手も持っているかも知れないから、って。そのことを聞いていなかったので、いきなり拳銃を突きつけられた時はマジで怖かった。
橋本: 強盗みたいなのも結構いるんじゃないの?
原田 : いるらしいですけど、それはもともと聞いていたので、アクセサリーはもちろん、時計も何も身につけていなかったから、全く狙われなかった(笑)。」
橋本: ブラジルでの1ヶ月半では何を得た?
原田 : あまり…何も(苦笑)。ただ「ブラジルはやっぱりサッカーの本場やな」って感じることは多かったです。それに、そう何度も行ける場所ではないので、行けたこと自体が経験になった気もしますしね。あとは…ブラジルは怖いところやっていうことだけは分かりました(笑)。
橋本: 僕もブラジルには行ったことがないけど、やっぱり一度は行ってみたい場所の1つよね。サッカーの本場で毎日、フットサルをやっていたんやから、そりゃあ幸せよね。
原田 : そうですね。でもフットサルしかしていなかったから、めっちゃ暇でした(笑)。あまり出歩くことも出来ないし、そもそもそんなに行くところもなかったら。

取材協力/dieci
text by misa takamura

原田浩平/プロフィール
1983年6月25日生まれ。大阪府出身。清風高校、大阪体育大学ではサッカー選手として活躍。卒業後、フットサルに転向し、F リーグ発足初年度からデウソン神戸でプレー。Fリーグ2007ではベスト5に選ばれた。日本代表。
<原田浩平オフィシャルブログ/http://pure-city.jp/kohei/index.html