橋本英郎公式サイト「絆」

中村楼

Photo1 京都は祇園町にある八坂神社の南門の鳥居をくぐってすぐ右側。ひっそりと、だが、風格を漂わせる料亭がある。それが、400年もの歴史を誇る老舗料亭『京料理 二軒茶屋 中村楼』。
室町末期、門前茶屋として創業。今も受け継がれる伝統の味、秘伝の白みそがたっぷり塗られた『田楽豆腐』でその名を知られるようになり、江戸末期からは料理茶屋として栄えた。以来、宮家をはじめ、政財界や文人墨客名士など、訪れた人は数知れず。ここ最近、ブームを巻き起こしている坂本龍馬が『近江屋』で暗殺される前日にも訪れていたらしく、暗殺された場所にも『中村屋』(注:当時は中村楼ではなく中村屋という名前で経営)の下駄を履いて訪れていたというエピソードも残されている。

Photo2 現在は十二代目当主、辻雅光さんが伝統を受け継ぎ、将来、十三代目として当主になることが決まっている二男の喜彦さんとともにその歴史を守る。先に書いた『田楽豆腐』はもちろん今も名物料理として受け継がれ、その他にも季節を感じられる見た目にも美しい京懐石をいただける。現在はランチタイムも営業しており、夜の京懐石に比べると手頃な値段で美味しい料理を楽しめるのも魅力。また夜の懐石についても、基本的に献立は『おまかせ』だが、予算に応じて相談に乗ってくれるのも嬉しい限りだろう。

Photo3お昼のコース。季節感たっぷりです。

一方、料理と共に楽しんでもらいたいのが伝統と格式が感じられる料亭建築。その暖簾をくぐり、料亭の中に一歩足を踏み入れると、過去にタイムスリップしたような懐かしい気分になると同時に、その威厳が感じられる空間に背筋がピンと伸びる。また、本館と総檜造りの貴賓館とを結ぶ廊下を抜けると、そこには尾形光琳によるふすま絵を始め、初代総理大臣・伊藤博文から贈られた『緑陰深処(りょくいんふかきところ』としたためられた書、名だたる作家による書画など歴史を感じられる品々が。残念ながら貴賓館は一般非公開となっているため楽しむことは出来ないが、料亭内各所には伝統と歴史を感じられる品々が多数置かれており、それらを楽しみつつ、また庭園の緑を楽しみながら京懐石に舌鼓をうつのもいいだろう。

Photo4目にも美味しい、季節感溢れる京懐石の数々。料理人の方による芸術とも言える美しい料理を楽しめます。

ちなみに、07年には本館の一部をカウンターやテーブルを配したスペースに改装しており、ランチタイムは、大きな窓から目に飛び込んでくる色鮮やかな庭の緑を楽しみながら、そのモダンな空間で伝統の味を楽しむことができる。
歴史をしっかりと受け継ぎながら、現代とともに生きる『中村楼』。その空間、料理に、『伝統』のもつ尊さ、凄みを教えられた気がした。

十三代目・辻喜彦さん
中学生の頃から店を手伝うようになった喜彦さんが、正式に中村楼を手伝うようになったのは22才の時。以来、将来を見据え、両親とともにその伝統を守ってきた。将来、この歴史がある中村楼を受け継ぐことに関しては「400年なんて想像もつかない歴史ですから、それを継ぐことには当然プレッシャーはありますよ」と笑いながらも、すでにしっかりとしたビジョンも持ち合わせている。 「ファッションも時代によって流行があるとはいえ、時が経てばまた昔のファッションが流行ったりするように、こうした老舗料亭も、時代が変わったとしてもその芯をしっかりと持って経営していれば、理解してくれる人はたくさんいるのではないかと思っています。」

橋本英郎Hashimoto
今の奥様(十二代目)であるみどりさんとは、知り合いの紹介により、お付き合いが始まりました。以来、嫁はもちろん、子供が生まれてからも、家族ぐるみでしょっちゅうお邪魔していますし、たまに忙しい合間を縫って、試合の応援にも来てもらっていたりして、本当にお世話になりっぱなしです(笑)。料理もさることながら、僕にとってはこの空間も心と身体をリラックスして過ごせる大事な場所。入り口左手には風情のある二軒茶屋もあって、ここで大好きな『ぜんざい』を始め、抹茶やおしるこ、ソフトクリームなど甘い物ををいただくのも楽しみの一つです!!みなさんも、ぜひ!


中村楼Nakamuraro
住所:京都市東山区祇園町八坂神社鳥居内
定休日:木曜日(祝日の場合は営業)
営業時間:11:30〜22:00閉店
TEL:075-561-0016 /FAX:075-541-6738
<アクセス>
JR京都駅より 車で15分
市バス206「祇園」徒歩2分
京阪「四条」駅徒歩10分/_阪急「河原町」駅徒歩13分

 

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