橋本英郎公式サイト「絆」
FRIENDS

vol.24 たむらけんじ(芸人)

橋本 : たむけんさんは引退とかって考えないもんですか?
たむけん : う~ん…理想としては、いいところでやめたいけどね。いいところっていうのは、人気が絶頂というか、そこでたむらやめんの?っていうところで辞めたいなって思ったりもするけど、この世界ってホンマに麻薬やから、やめれるか分からんなぁ。

橋本 : 麻薬ってどういうことですか?
たむけん : ウケた時なんか、たまらんもん。あの笑いをとるって感覚は、ホンマにたまらん。麻薬やわ。
橋本 : 小さい時から芸人さんになりたかったんですか?
たむけん
: いいや。俺は、普通に獣医さんとかになりたかったから、芸人になりたいなんて、全く思っていなかったよ。
橋本 : どの瞬間に自分が面白いって気づいたんですか?
たむけん : 面白いって気づいたと言うより、人前でそういうのをするのが好きなんやな、アホなことをするのが好きなんやな、っていう自分に気がついたっていう感じかな。自分が面白いなんて、全く思っていなかったし。で、高校を卒業するタイミングで、大学には行きたくなくて、就職もしたくなくて、じゃあ、何をする?ってなった時に、吉本の学校があるのを知って、行ってみよう、と思ってさ。そのまま、惰性できたって感じよ。実際、俺は花月とかも観に行ったこともなかったしね。唯一、ダウンタウンさんがやっていた「四時ですよーだ」って番組は、親父にビデオを買ってもらって毎日のように録画して、飯を食いながら観る、っていうことをしていたけど。

橋本 : 芸人さんとしては、笑うことを追究したいのか、売れることを追究したいのかどっちですか?
たむけん : 俺だけじゃなくて、芸人さんにはおそらく、売れることを追究している人ってあまりいてないと思うよ。やっぱり日々,お客さんを笑わせたいっていうことの積み重ねが売れて行くっていうことだとも思うし。実際、めっちゃくちゃ面白い人もやっぱり簡単には売れへん世界やからね。例えば、千原兄弟のジュニアさんなんて、今ももちろん凄いけど、あの人はホンマに昔から凄かったからね。あの人の面白さはえげつなかった。俺にしてみたら、ダウンタウンの松本さんの次にくるくらいの人やと思ってるから。
橋本 : でも、意外と売れるのは遅かったですよね。
たむけん : そういうことなんよ。面白さは昔から全く変わってないのにさ。でも、この世界って運やタイミングがあったりするから。そういう意味では、一時期「お前ら、顔がええだけやん?」的な子が出てくる時代が結構長かったりもして…その間は、ジュニアさんやジャリズムの渡辺さんらも埋もれていたりしたけど、俺は絶対にあの人らは面白いと思ってたからね。だから出てきてくれて、すごい嬉しい。やっぱりこの世界は面白い人らが出てくる場所なんやと思えたから。多分、あの人らは絶対にもう落ちないやろうしね。ケンドーコバヤシなんかもそうやけど。
橋本 : ケンコバさんもめっちゃ面白いですよね。
たむけん : おもろいな~。あいつは、同期なんやけど、学校の時からおかしなくらい面白かったから。中川家もかなり面白かったし…あの3人は異常やったね。「俺、えらいところに入っても~た」と思ったもん。で、同じ同期でも、陣内智則は努力の人っていう感じかな。
橋本 : 一時期、あまり出てこなくなったけど、陣内さんも最近はまた出て来ていますよね。
たむけん : あんなことがあったからな~。あれがあるから、この世界は怖いねんやん。調子に乗ったらアカンっていうことやと思うわ。調子がいい時ほど、ちゃんと現実をみとかんと、絶対に落とし穴がある。実際に、そんな人らをいっぱいみてきたしさ。
橋本 : たむけんさん、大丈夫ですか(笑)。
たむけん : 俺?俺はいつもビビりながら…こんなん、ウソ、ウソって思いながらやっているから大丈夫(笑)。
橋本 : 焼き肉屋さんもすごい人気で、テレビでは儲かってるって言われてますけど、そういうことへのやっかみみたいなものは、ないんですか?
たむけん : あると思うよ。でもまぁ、店を経営するのってホンマに大変なことが多いからさ。周りが言うほどいいことばっかりじゃないしね。今の時代、お客さんも減っているし、そんな簡単に儲かる訳がない。そういう意味では、今になって思うと、そんなに広げんかったら良かったっていうか…。一店舗だけやっていた方が儲かっていたかもしらんなって思うけどね。広げることによっていろんな問題が出てくるし…その分、比例して儲かっているかといえばそうじゃないしさ。でももう、引かれへんから。働いてくれている従業人の人がいて、俺にはその責任があるから引かれへん。やっちゃったわ(笑)。
橋本 : お笑いをする自分と実業家として焼き肉屋をする自分は巧くバランスがとれているんですか?
たむけん : 俺の場合、実業家といっても、思いっきり芸人よりやからね。バランスがとれているのかどうか分からへんけど、少なくとも今、うちの店にお客さんが来てくださっているのって『芸人・たむら』がやっているからや、っていうのは分かっているから。だからこそ、この『芸人・たむら』っていうのは崩したらアカンって思っているけどね。もちろん、お店の経営については『芸人・たむら』ではやれんから、ちゃんといろんなことを考えて、ある意味、俺がどうなっても店は生きていけるようにしとかなアカンって思いはあるけどね。結局、昔は、芸能人の人とかが自分の名前を使って店を出したりしていたけど…今はそれで通用する時代じゃないから。美味しいものを出して、本気でやらな、すぐに潰れる。それはいつも頭にあるけどね。でもサッカー選手でも結局、そうやん。本気でやってないと、才能だけでは生き残られへん。そういう意味では俺らも、ハシピーらスポーツ選手も同じやと思うで。いつどうなるか分からん、っていう意味でもさ。
橋本 : 確かに僕にもいつ、どうなるか分からんっていう危機感は常にありますよ。僕はそもそも遅咲きやったというか…試合に出られない時代も長かったですしね。今、試合に出ている自分を大事に考えなアカンっていうのはいつも思ってる。『ガンバTV』にも、ずっと取り上げてもらえるように頑張らなアカンな、と(笑)。
たむけん : 取り上げる、取り上げる。でもホンマにもっと、面白いことをやりたいよなぁ。ガンバのみんなとなら出来る気がするしさ。まずはキャンプやな、やっぱり。『ガンバTV』キャンプ!
橋本 : そうですね。やりたいですね!というわけで、たむけんさん、そろそろ打ち合わせの時間ですよね。
たむけん : 3分前か…そろそろ行かなアカンな。ありがとうな、来てくれて。
橋本 : いやいや、こちらこそありがとうございました。次に会う時は天皇杯に優勝していると思うので、祝杯をあげましょう!
たむけん : 優勝してや!楽しみにしてるわ!

text by/misa takamura

たむらけんじ/プロフィール
1973年5月4日生まれ。大阪府阪南市出身。愛称、たむけん。吉本興業所属。大阪府立和泉高等学校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)に入学。11期生で同期には、陣内智則、ケンドーコバヤシ、中川家、ハリガネロックら。本名、田村憲司。芸人として活躍する傍ら、『炭火焼肉たむら』を経営する株式会社田村道場の代表取締役でもある。『おはよう朝日です(ABC)』『探偵ナイトスクープ(ABC)』『せやねん!(MBS)』『ちちんぷいぷい(MBS)』などレギュラー多数。昨年から始まったガンバ大阪の応援番組『ガンバTV 青と黒(MBS/毎週月曜日、深夜1:35~放送)』のメイン司会を務める。