橋本英郎公式サイト「絆」
FRIENDS

vol.22 たむらけんじ(芸人)

たむけん : ハシピーは現役を引退したら、将来はどうするんやった?
橋本 : 僕は一応、学校の先生になりたいな、と。
たむけん : そんな元Jリーガーっておるん?
橋本 : 大学を出てプロになった選手は、結構、教員免許を持っているから、いるとは思いますよ。

たむけん : ハシピーくらい有名な…代表クラスの選手でも先生になった人いる?
橋本 : たぶんいると思います。
たむけん : だってそれやったら、もっと話題になってない?元Jリーガーの先生なんて注目されるやろう?大学が多いんかなぁ。
橋本 : いや、中学や高校の先生もいるはずですけどね。あと、学校の先生ではないけど、サッカー部のコーチだけの契約で行っている人もいますしね。
たむけん : ハシピーが先生になったら、めちゃめちゃ人気のある先生になるんちゃうん!
橋本 : でも僕が先生になる頃には、生徒は僕らのことはそんなに知らんというか…また次の世代の代表選手に目がいってるはずやから、そうでもないと思いますよ。カズさん(三浦知良)くらいのレベルになればまた話は別ですけどね。例えば、清水の伊東輝悦さんっているじゃないですか?テルさんは、J1リーグで歴代トップの出場数を数えるくらいの、素晴らしい選手なんですけど、今はテルさんのことをみんなが知っていても、数年後、例えば先生になったとして、 中学生や高校生の子どもが知っているかと言えば、知らないと思うんです。僕にも、そういう現象が起きるはず(笑)。
たむけん : そうなんかぁ。
橋本 : テルさんは、実績も凄いじゃないですか?日本代表にも入っているし、アトランタ五輪の時は、ブラジル戦でゴールを決めたりして…っていうことを僕らは知っているけど、今の20才くらいの選手に言ったところで分からないですからね。だって「アトランタの時の監督は誰だったか知ってる?」って今の若い選手に聞いたら、対外、知らないって言われるから。「西野監督やってんで」って言うと、「へえ!」みたいな(笑)。
たむけん : 確かに、バレーボールも今、人気やん?俺も結構、好きやねんけど。で、俺らの世代でバレーボールと言えば大林素子やねんな。俺は大林さんとも仲良くさせてもらっていて、一緒にバレーボール会場に行くこともあるねんけど、そうすると、すごい人気なんよ。でも一般の人に「バレーボールを見にいって面白かった」っていう話をした時に「大林さん知ってる?」って聞いても、知らんからね。あの大林素子を知らんって、どないや、と!
橋本 : そういうことですよ。僕はもちろん、大林さんは知っていますけどね。
たむけん : やろ?結局、今はプリンセス・メグ(栗原恵)とか、今はあまり出てないけどパワフル・カナ(大山加奈)とか…目がいくのはそこなんよね。高橋美由紀さんも、引退しはったけど、俺らからしたら「なんで分からんの?」っていう選手やのに、若い人らは知らんかったりするからね。
橋本 : だから、僕が先生になろうとする頃は、僕もそうなっていると思います。
たむけん : 選手をやめたら、すぐに先生になれるん?
橋本 : 僕は教職をもっていないから、とりあえず、まずは2年かけて教職をとらないといけないから、その後ですね。
たむけん : ガンバのコーチをするのは嫌なん?
橋本 : いや、いいんですけど、僕、一軒家に住みたいんです(笑)。
たむけん : はい?

橋本 : 例えばガンバのコーチになるとなれば、契約になるじゃないですか?イコール、ずっと同じチームにいられるとは限らない。今のガンバの西野朗監督は来年で9年目で、Jリーグでは最長の指揮になるんですけど、それでも9年ですからね。他の監督を見ていたら、だいたい、1~2年で終わりって感じだし。例えばすごくいいコーチになったとしても、外国人監督がきたら、コーチも自分で連れてくるから、そんなんおかまいなしに一掃されてクビになるし。じゃあ次はどこにいく?ってなった時に、近いチームならいいけど、遠いチームならまた引っ越しして…っていうことを考えたら、プロのコーチになると、家を買っている場合じゃないじゃないですか(笑)。
たむけん : 確かに、そうなるとホンマに好きじゃないと出来ひんな。
橋本 : ですよね。あるいは、一軒家に住むっていう夢を捨てればやっていける。
たむけん : 今でも稼いでるねんから、家を買えるやろ!
橋本 : いや、選手の立場も結局、同じで、ずっとガンバにいれるとは限らないですから。じゃあ、移籍しますってなった時に、どこに行くか分からないのに家を買ってる場合じゃないじゃない。そもそも、せっかく一軒家を建てたのに、2年しか住めないとかは絶対に嫌だし。マンションだったら話は別なんですけど、僕はとにかく一軒家に住みたいから。
たむけん : じゃあ、引退したら、とにかく、一軒家や、と。
橋本 : 一応、引退してしばらく経ってから、ここやなってなったところで建てたいですね。
たむけん : それは大阪に?
橋本 : 僕は大阪に…吹田に住みたいんですけどね。そこは家族会議で決めることになると思います。で、話を戻すと、一軒家を吹田に建てるには、学校の先生になるのがいいのかな、と。中学や高校の先生ではなく、サッカー部のコーチだけをやっている人もいるけど、それだと待遇はいいかも知れないけど、結局、プロの監督やコーチをするのと同じですから。結局、世の中、待遇がいい、イコール、リスクがあるっていうことなんでしょうね。って言いながら、頭のどこかでプロのコーチにチャレンジしてみたいなって思いも多少、あるんですけどね。
たむけん : 武田修宏さんもずっと言ってはるわ。監督やりたいって。だから俺は「無理ちゃいますか」って言ってるねんけど。あの人、めっちゃいい人やけど、なめられると思うから(笑)。
橋本 : 実績とか考えたら凄い人ですけどね。

たむけん : やろ?でも、テレビであんなキャラクターやから、誰もついてきいひんのちゃうか?と。ただ逆に思いっきり人柄だけでいい監督になるかもしれないけどね。ただ、武田さん、最近は、そのアホキャラでいくのが嫌らしく…前に一度『ガキの使いやあらへんで』でご一緒させてもらった時に、「質問したら武田さんがチンプンカンプンな答えを言う」っていうノリのはずが、ごっついまともに答えはって、成り立てへんかったことがある(笑)。あの時は、「そこで、賢くなってどないすんねん!」って相当、焦った(笑)。っていうか、そもそも武田さんは、いい人過ぎてアカンと思うわ。監督なんて憎まれるのが全然平気っていうタイプじゃないと出来ひんやろ。
橋本 : それは言えてますね。監督は冷酷な人でないと無理だと思う。
たむけん : やろ?だから俺は絶対に、出来ひんと思う。そもそも「みんな出してあげたい」って思ってしまうタイプやから。
橋本 : 確かに、たむけんさんは無理ですね。でも僕は多分、大丈夫(笑)。冷酷になれそう…ただ、一番いいポストは、ヘッドコーチかな。
たむけん : わかる、ナンバー2な!
橋本 : そう。進言だけはするんですよ。「あそこは絶対に変えた方がいい」とかって…でも決断するのは監督、っていうのがいい(笑)。
たむけん : 俺もお笑いの世界で絶対にトップになりたくないと思ってるもん。ナンバー2、ナンバー3がいちばん、居心地がいい。アカンくても責任をとらんでいいし、横でワイワイ言っとったらいいし、いろんなところに絡んでいけるし。だって、芯になったら、芯しか出来ひんようになるからね。
橋本 : 分かります、分かります。ガンバでいうと、ヤット(遠藤保仁)がそうです。あんだけ芯になってしまうと、ガンバカラーが強くなり過ぎて、国内の他のチームには、移籍しにくいですからね。海外なら出来るとは思うけど。

text by/misa takamura

たむらけんじ/プロフィール
1973年5月4日生まれ。大阪府阪南市出身。愛称、たむけん。吉本興業所属。大阪府立和泉高等学校卒業後、吉本総合芸能学院(NSC)に入学。11期生で同期には、陣内智則、ケンドーコバヤシ、中川家、ハリガネロックら。本名、田村憲司。芸人として活躍する傍ら、『炭火焼肉たむら』を経営する株式会社田村道場の代表取締役でもある。『おはよう朝日です(ABC)』『探偵ナイトスクープ(ABC)』『せやねん!(MBS)』『ちちんぷいぷい(MBS)』などレギュラー多数。昨年から始まったガンバ大阪の応援番組『ガンバTV 青と黒(MBS/毎週月曜日、深夜1:35~放送)』のメイン司会を務める。